標高900mの畑、戸隠での野菜づくり

『農家日記』を付けていますが、その補遺のようなものです。
補遺というよりは、写真も貼り付けたりすれば、野菜づくりについては、こっちの方がメインの記録になるかな? (2017年3月1日)

今年はつくらない野菜

朝まだ苗の覆いも取る前に近くの商店にちょっとした買い物(実は、タバコ)に行ったついでに、またまた畑に行ってみました。近くといっても、その商店は1.9キロ先、畑は3キロ先です。


畑は今なお全面が雪に覆われていましたが、ヒトの足跡のようなものが2筋あり、私にはこれがどんな動物のものか、見当がつきません。

イノシシでは、まずないです。熊にしても、迫力があり過ぎです。


とかくイノシシやクマの被害のことが言われますが、雪の原のけものの足跡は、不思議なくらいに少ないです。特に野兎の足跡は特徴的ですぐ分かりますが、私が子どものころにはやかましいほど見られたのに、今は皆無です。


農道の脇に、薬莢が、、、。

フキノトウでもないだろうかと思って、低速で運転して右側を見ていたのですが、そんなものは一つもありませんでした。代わりに、薬莢。


庭の先の畑の下半分を耕そうとしたら、昨日おととい使った管理機が、なぜか掛かりません。少し大きい目なのを持ち出しました。

これは、まさに一発で掛かりました。ホンダの農機具は、ほとんど必ず一発で掛かるところを高く評価します。重いけれども、刈り払い機もホンダです。スターターロープを何度も引っ張るのは、ほんとにストレスフル。何度か引っ張っると、うまい具合に燃料が回るのか、結局は掛かることが多いですが、ホンダのものは掛かるなら、一度引くだけ、、、。


このホンダラッキーで耕して、ほうれん草「オーライ」を5畝播きました。10cm間隔で2粒ずつ。今日は妻より私の方が多く播きました。もちろん数えていないけれど、計算上は1500粒播いたことになります。



こんな丁寧なほうれん草の種播きは初めてのこと。13畝ぐらい場所はあるところを5畝でやめたのが、今年はまだ本気、本調子でない証拠です。


この畑の先のやや広い畑も、だいぶ雪が融けてきました。スマホのアプリのコンパスと実際の方位磁石の二つを持ち出して、正確な南北を確認しました。


今年はこの大きい方の畑には、ぴったりと南北の畝をつくって自己満足するために、目印のポールを立てました。


わずかばかりの一日の仕事を終えた後で、昨年の記録を見て愕然としました。昨年は、1月に畑に行くことができて、多くはないですが直売所に出荷していました。


2月には何も出荷なし。3月は17日にエンドウ苗、キクイモ、アサツキ、フキノトウを出したのを皮切りに、隔日ぐらいに出荷して、4月になだれ込んでいます。


今年は全然ダメです。なぜかというと、昨年は異常なほどに雪が少なく、気温も高かったからです。それなら仕方がないとも言えますが、、、。


私のところは、アメダスの観測地点では信濃町と長野の中間ぐらいの数値を考えればいいと思っています。毎日それを割り出すのは面倒だし、標高が高いので積雪深などは信濃町にかなり近い。そこで、日記には信濃町の最高・最低気温と積雪深を、日記に記入しています。


昨年の冬は、故郷を離れていた年月の方が長いですが、かつてないこのあたり冬でした。


それで、今年はつくるまいという野菜を考えてみました。


【つくらない野菜】
白瓜、アーティチョーク、エゴマ、かんぴょう、キンジソウ、クレソン、ゴーヤ、ゴマ、コンニャク芋、ささげ、ショウガ、大豆、冬瓜、パプリカ、瓢箪、糸瓜、マクワウリ、メロン、ヤマイモ、落花生、、、、。

今年最初の直(じか)播き


この辛味大根の種を播いたのですが、納品書を見て目を見張りました。20ml入りの1袋が1695円、2袋なので3390円と高いからです。


何かの間違い?と思いサカタのタネのカタログを見たら1944円と、サカタの10品種以上の大根の中で最も高価。約1200粒入り、、、、。JAの場合、冬のうちに春用として出す注文書では、この種に関しては約13%の割引ということになります。


ま、仕方がない。高冷地では4月から9月までが播種適期とあるけど、4畝播きました。ビニールトンネルと胡瓜支柱の間です。

昨年の秋に買って初めて使う紐張り器は、私には新機軸の30センチ間隔でビーズ玉が付いたもので、妻に播いてもらいました。大根としては高価なタネなので15センチ間隔で1粒の無駄もなく、、、、。私もそのあたりピタッとする方ですが、妻の方が厳密のようです。15m畝なので、合計400粒。


自分では一粒も播きませんでしたが、ビーズ玉の目印付きは便利・有用です。ただの紐だと、巻き尺を伸ばして脇に置くところです。


忙しくなったり、たくさん播くときには、このような播き方はできません。去年Tさんから譲ってもらった中古の播種機は、タネの大きさに従って穴の大きさを替えるところが固くて動かない上に、播種間隔の調整もできません。昨年の秋に使ったら、どの野菜のタネでも厚播きになりました。


まあ、使えないので、売り上げを大きくして新品を買うしかありませんね。カチ、カチ、カチ、、、という音を聞きながら進めたら、望み通りの間隔で1ずつ播けるとしたら、こんな重宝な道具はありません。


庭先の畑の下半分も、今日は耕耘しました。ワケギを救出して、プランターに植えました。小さな袋一つの種球でしたが、増えてはいません。ワケギは暖地向きのネギ属でしょう。こちらでは、思わしくありません。


だけど、島ラッキョウだと言われて前に1握りいただいたものは、どんどん増えて18m畝2本になっているぞ。沖縄のネギ属のはず。

今年初めての耕耘

午前中は長野(市街)に買い物等で行きましたが、晴れているのに風が冷たくて、浮き浮きするような天気ではありませんでした。


帰宅してからも、軒下のテーブルにセルトレイを載せて種を播く気にはなれず、これで3日間も種まきはなしです。少し前には、セルトレイなど置き場所がないのがブレーキになっていましたが、今では庭先の畑にビニールトンネルの短い1畝があります。日中はそこに置けばいいわけです。


庭先の畑は、昨年メインの畑が忙しくなったら打ち捨てる感じなり、マルチも2本針張りはなしです。それを片付けてから、思い付いて耕耘機を走らせました。


4か月ぶりのことですが、こんな小型の機械でもよく働きます。鍬でうなうことなどは、考えられません。ほとんど整備もせず、燃料も入れっぱなしでハウスに置いていたものが、一発で起動したのがうれしかったです。


いよいよ今年の農作業も始まったな。多分、このあたりでは私が一番最初に耕耘機を動かしたと思います。たくさんのポットやトレイに、まだ寒いのに種播きをしたことでも、変なおやじと思われているかもしれません。


長野へ行くのには、いつもと違うルートを取りました。戸隠はかつて葉タバコの有力な産地でした。中でも、どの家も1千万円は下らないだろうと言われた地区を通ると、私のメインの畑と同様に、10センチ以上の積雪深です。


ここから見る景色が私は好きです。飯縄山と戸隠山。


どこも零細な農家の戸隠ですが、このあたりでは畑も広いです。今は葉タバコをつくる家は、ちょっと離れた地区なので正確なところは知りませんが、その時期に通ってもタバコ畑は見たことがありません。


今は全面が蕎麦畑です。蕎麦では、いくらにもならない、、、と、私は思いますが、どこかに貸しているのでしょう。何かつくらないと、畑も荒廃しますから。


私の畑の周りにも耕作放棄の畑が目立っていましたが、3年前かな?いきなり蕎麦がつくられるようになりました。戸隠のある蕎麦の店が、まるで私の畑を囲い込む具合です。


私が畑にいて、隣の畑にトラクターが入って来たとき、オペレーターがまあ挨拶でやってこられました。今は息子さんに店を任している前の店長というか社長であって、こっちの方が面白いと言われるのです。


その店は、茅葺の古い建物で、盛りがいいので、私が最も好きな店の一つです。蕎麦栽培も並み大抵のことではなく、私の畑のあたりでは畑10枚。あちこちの合計では20町歩(20ヘクタール)とのことでした。


長野市街にはもちろん、東京を始め横浜や埼玉のどっかにも、確か支店を持っているはずです。始まりは戸隠詣の道の途中の茶店のようです。戸隠蕎麦のネームバリューは、なかなかのものということでしょう。


戸隠の神社を中心とした地区は、今月「重伝建」に選定されるはずです。もう決まったのかもしれません。重要伝統的建築群保存地区。宿坊群としては、全国で初めての「重伝建」だそうです。